俺様先生と秘密の授業【完全版】
ん、で。昼休み。
お弁当を持ってこっそり教室を出ようとすると……案の定。
吉住さんが、近づいてきた。
そして多分。
一緒にお昼を食べよう、とでも言いかかける前に、あたしは伊井田さんに手を振った。
「お兄ちゃんが、一緒にご飯しようって!」
「本当!?」
あたしが声をかけると、伊井田さんはきらっきらした笑顔で近づいてきた。
伊井田さん、朝一番に吉住さんのコト、気に入った、って言ってたからなぁ。
昼休みぐらいは、伊井田さんにお願いして良いよね?
つれた、つれた、やったね、って心の中でガッツポーズをしてると。
反対に吉住さんは、心なしか、青ざめる。
あれ?
吉住さん、伊井田さんのコト、苦手?
ラッキ……じゃなくて。
吉住さんはこそこそと、あたしにささやいた。
「何言ってんですか!
俺、そんなコト、ちっとも言ってなんか……」