俺様先生と秘密の授業【完全版】
「まぁまぁ。
 良いじゃない、お昼くらい。
 せっかく、高校生になったんでしょう?
 あたしの周りばかりうろうろしてないで、クラスメートとコミニュケーション取ろうよ。
 あんまり、そっけなくしてると『お兄ちゃん』だってクラスメートにイジメられるかもよ?」

「まさか……俺が、ですか?」

 吉住さんは、あり得ないって肩をすくめた。

 言ったあたしも、ちょっと笑う。

 クラスメートの誰かが、吉住さんに何か悪いコトを仕掛け……

 その正体を知ったら、どんな顔をするだろうって思ったから。

 吉住さん、ここでは、なんだか和んでるけど、沈黙の狼は怖いぞ~~

「……何笑ってんですか?
 それよりも、俺には、大総長に言われた使命が……!」

 なんて、ささやく吉住さんに、あたしもささやき返した。

「大丈夫。
 だって、行くとこ保健室だし。
 そもそも、あたしのガードは、直斗とも連携取るんでしょ?」

「ですが」

「岸君居るとは、限らないし。
 あんまり、うるさいコト言ってると本物の兄貴に言いつけるよ?
『お兄ちゃん』がいじわるだって」

「それは、やめてください。
 ……真面目に、殺されます」

「……ねぇ?
 ヒトを呼んでおいて、二人で何を話してるの?」

 新たに加わった伊井田さんの声に。

 あたしと、吉住さんの声が、思わずそろった。

「「いや。なんでもないです」」
 
 

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