俺様先生と秘密の授業【完全版】
行き場のなくなった岸君は、相当に落ち込んでいるに違いなかった。
半日教室に返って来られない、ってことは。
授業に出られないほど、傷が酷いのかもしれなかった。
考えれば、考えるほど心配なコトが山積みで。
あたしは、おそるおそる保健室の扉を開けて……
……
驚いた。
……
いつもお昼休みに、お弁当を広げて食べる保健室のテーブルに。
今、山ほど広げられているのは、大量のバイク関係の雑誌と地図なんだもん。
そして、落ち込んでいるはずの岸君は。
早瀬倉先生と、バイク雑誌片手に、なにやら楽しげに、笑ってる。
笑いすぎて、傷が痛むのか、時々痛てって、お腹を押さえながら。
「ちよっと!
直斗! 岸君っ!」
心配すれば、大損する目の前の光景に、声をかければ。
やっと、二人があたしを見てくれた。
「やあ、加月さん」
「お、愛莉じゃないか。
なんだ、もう昼休みか?」
「なんだ、昼休みか? じゃないわよ!
ヒトが心配して来てみれば、何よ?
あたしと吉住さんには、さっさと帰れって言ったクセに!
よっぽど傷が酷いのかと思ったじゃない!」
半日教室に返って来られない、ってことは。
授業に出られないほど、傷が酷いのかもしれなかった。
考えれば、考えるほど心配なコトが山積みで。
あたしは、おそるおそる保健室の扉を開けて……
……
驚いた。
……
いつもお昼休みに、お弁当を広げて食べる保健室のテーブルに。
今、山ほど広げられているのは、大量のバイク関係の雑誌と地図なんだもん。
そして、落ち込んでいるはずの岸君は。
早瀬倉先生と、バイク雑誌片手に、なにやら楽しげに、笑ってる。
笑いすぎて、傷が痛むのか、時々痛てって、お腹を押さえながら。
「ちよっと!
直斗! 岸君っ!」
心配すれば、大損する目の前の光景に、声をかければ。
やっと、二人があたしを見てくれた。
「やあ、加月さん」
「お、愛莉じゃないか。
なんだ、もう昼休みか?」
「なんだ、昼休みか? じゃないわよ!
ヒトが心配して来てみれば、何よ?
あたしと吉住さんには、さっさと帰れって言ったクセに!
よっぽど傷が酷いのかと思ったじゃない!」