俺様先生と秘密の授業【完全版】
「信じられる?
 このヒト、今になって、加月さんが欲しい、なんて言い出すのよ!?
 反則だと思わない?」

 ……へ?

 って……え?

 それ……本当に……?

 岸君の言葉で、二日前の、直斗と兄貴の話がウソじゃないって……

 ……熱に浮かされた夢じゃないって、カクシンする。

 思わず、思考停止して。

 その場に立ち尽くしたあたしを、思いの他強い、岸君手が引き寄せた。

「……ダメ。
 加月さんは……愛莉さんは。
 もうオレのだから、あげないよ?」

「別に、取りゃしねぇよ。
 大事にしなけりゃ、足元をすくってやる、と言ったんだ」

 何だ、やっぱり夢じゃない。

 あたしのカクシンなんて、当てにならないなぁ、なんて思った時だった。

 直斗がとんでもないことを言った。

「俺の好みは、オトナだからな。
 愛莉の着替え見ても、別に何も思わなかったし」



「「着替え!」」


 直斗の爆弾発言に、思わずあたしと岸君の声がハモり。

 岸君の拳より先に、あたしの張り手が飛んだ。
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