俺様先生と秘密の授業【完全版】
「だからって、何も岸と一緒に部活動なんて!
 絶対、ありえません!」

「あら。
 良いじゃない。
 ダーリン、やってみれば?
 岸君が、案外カッコ良かったことに驚いたけれどねぇ。
 二人がどれだけ走れるのか、スッゴく興味ある~~なんてぇ」

 そう言いながら、伊井田さんは、吉住さんに、色っぽく、しなだれかると。

 吉住さんの胸をツンツンとつついた。

「……それとも、バイクの免許、取り立て?
 運転、自信ないの?」


 うぁ……ちょっと、まて。

 知らないとはいえ。

 狼のトップに、ソレはないでしょう、みたいな。

 いきなり変わった、ばりばりとした。

 まるで、素手でさわれそうな、緊張感のある空気に。

 事情を知ってる三人で顔を見合わせ、恐る恐る、吉住さんを見れば……

 案の定。

 怒れる吉住さんの顔があった。

「俺が、どんな風に走るかだと?
 そんなに見たいなら、見せてやる!
 今晩、海岸の広場に、来……」

 多分。

『来い』って、続くはずの言葉は、早瀬倉先生の手が、ぱくっとふさいだ。


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