俺様先生と秘密の授業【完全版】
「うん。
 だから、明日は土曜日だけど、学校に行くね?
 直斗を顧問に立てて。
 あたしと、岸君と、吉住さんと、伊井田さんの四人で、丁度、同好会が作れるって言うし……
 何よりも。
 口では、ぶつぶつ言ってたけど、みんな楽しそうだったよ?」

 なんせ、同好会の会長を決めるのに、結局。

 岸君と吉住さんは、腕相撲で勝負したくらいだったし。

 見かけによらず、岸君も強く、吉住さんと接戦だった。

 残念ながら、岸君は負けちゃったけど。

 前の日に殴られてなければ、勝負は判らなかったかもしれない。

「ふうん……あの吉住が、そんな遊びに付き合ったんだ」

 何となく、不満そうな兄貴の声に、あたしは、慌てて言った。

「だって直斗、ヒトをノせるの上手いんだもん。
 あ、でも。
 吉住さんは、ちゃんとお仕事してるよ?
 必ず、あたしの声の届く所に居てくれるし。
 伊井田さんは、一方的にアタックしてるけど、吉住さんは、ほとんど無視してるし……」

 完全無視は、出来ないみたいだけど、ソコは内緒にしておいてあげよう。

 アレでとやかく言われたら、吉住さんが、可哀想過ぎる。

< 192 / 362 >

この作品をシェア

pagetop