俺様先生と秘密の授業【完全版】
「やぁ……っ!」


 怖い。


 怖い……!


 そう。


 あたし……ここで、初めて兄貴のコトを『怖い』と感じた。

 いつも、少し甘えたように、優しく見つめていた瞳は、妖しく底光りし。

 どんな時も守ってくれた、大きな手は。

 まるで、熱に突き動かされるように、あたしの服を引き裂いてゆく。

「おにいちゃ……」

 破れ、ただの布地になってしまったブラウスをかきあわせ。

 下着姿を見せまいと壁に従い、ずるずると座り込みかけた。

 そんな、あたしを支えようと、兄貴のゴツい手が、伸びる。

「やっ!」

 怖さと。

 熱さと。

 驚きと……!

 ワケの判らない、これ以上言うことのきかない自分の感情への戸惑いと。

 全部を込めた、反射的な拒否は。

 あたしをもう一度抱きしめようとした、兄貴の手に大きな音をたてた。

 
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