俺様先生と秘密の授業【完全版】
 あたしの唇に、口づけようと。

 岸君の、綺麗な唇が、迫って来る。

 直斗があたしに薬をを飲ませた時。

 未遂で終わらせたときの、ドキドキ感は、なく。

 兄貴が強引にしたときの熱も、ない。

 けれども、岸君の、優しい、キスが、来る……

 多分、したら。

 伊井田さんがこっそり、教えてくれたような。

 きっとキモチイイ、キス、だと思う。

 あたし。

 本当に、このまま流されちゃって、良いの?

 ここでキスして……それから先も、して。

 そうやって、なし崩しにオトナになるの?

 戸惑っている間に、岸君の唇が、来る。

 ……寸前。


「ごめ……っ!」


 あたし。


 岸君を力いっぱい押すと、そのまま屋上から、逃げだした。










 


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