俺様先生と秘密の授業【完全版】
「ま、とりあえず、中に入れ」

 と言われて、あたし直斗に続いて、のろのろと保健室に戻り。

 相変わらず、バイク雑誌、山盛りのテーブルを眺めながら、椅子に座った。

 そして、そんなあたしを見ながら、ため息をつき。

 携帯で、どこかに連絡を取ろうとした直斗を止めた。

「……吉住さんに連絡、ならやめて?
 なんとなく、今は、顔を見たくないの」

「……なんだ、ケンカでもしたのか?」

 案の定、電話相手の予定は、吉住さんだったらしい。

 結局どこにも連絡を取らず、ぱたん、と携帯を閉じると、早瀬倉先生が怪訝な顔をした。

「んーん。
 別に、吉住さんは、関係ないけど。
 あのヒトを呼ぶと、伊井田さんがおまけでくっついてきそうでヤ」

「ふうん」

 あたしの言葉に、早瀬倉先生は、曖昧にうなづくと。

 流れるような動作で、タバコを口にくわえた。

 一緒の部屋にいる、あたしに断りなく。

「……ガッコの……しかも、保健室でタバコを吸って良いの?」

「火、ついてねぇし」

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