俺様先生と秘密の授業【完全版】
「あたしって……一人だけ、すごい、ガキ?
早く、オトナになんなくちゃ、ダメかな……?」

 ああ……ヤバ。

 考えるだに、落ち込んでくる……

 思わず出た、沈んだ声を聞いて、直斗は、もう一本タバコを出した。

「早瀬倉先生、火、ついてるよっ!」

「いいんだよ。
 俺はオトナ、なんだから。
 休日出勤だし。
 今、保健室にいる生徒は、愛莉だけだし。
 あとで、換気をしとくから」

 空いたジュースの缶を灰皿代わりにして、直斗は、紫色の煙を吐いた。

「そんなに、愛莉がオトナになりたいなら、俺がしてやるよ」

「……えっ?」

「最初に言わせてもらえれば……俺だって、愛莉のコトが……好きだ。
 ただ、抱きゃイイってんなら、一日中ず~~っとだってヤってていいぜ?」

 きらり、と光った直斗の目は、本気だ。

 カーテンのすぐ向こうにあるベッドのことが、すごく、気になる。

 ここは、保健室なのにっ!

 あたし、すごく落ち込んでるのにっ!

 せ、迫って来ないでよ?

 ~~莫迦!

 がたん、と椅子を鳴らして立ちあがりかけたあたしに、早瀬倉先生は、肩をすくめた。


「……だけども、俺は。
 セックスをすることが、オトナのしるし、だとは思ってないから」


 




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