俺様先生と秘密の授業【完全版】
「……俺も、愛莉のコトが、ずっと好きだった。
 この思いは、俊介にも、岸にも、絶対負けねぇくらい。
 だけども、俺が出会った頃は……いいや、今だって充分。
 幼すぎ(コドモ)だから。
 俺は、ただ待ちたかった。
 愛莉のココロとカラダがきちんと育つまで。
 オトナになって、俺を受け入れて、くれるまで……」

 これが。

 直斗の想いの真実(ほんとう)のコトなんだ。

 本当に、あたしのコトを大事に思ってくれたから。

 自分のココロに蓋をして、ただ、黙って見守った。

 それは。

 静かだけども、兄貴よりも強く。

 そして、岸君よりも優しい、想い。

 それを初めて知って、あたしのココロは熱い想いで溢れ……涙になった。

 言いたいことは、一杯あったけど。

 胸が詰まって、あたしは。

 ほとんど何もしゃべることが出来ない。

「……直斗……」

「……なんだよ」

 小さくなってしまったあたしの声を聞き取ろうと、直斗は耳を清ますように、傾けた。

 その耳に。

 ……あたしは、思い切り、怒鳴った。



「こん、の。
 お莫迦~~っ!!!」


  
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