俺様先生と秘密の授業【完全版】
告白は、突然に
次の日。
学校に行ったら、やっぱり、大騒ぎになっていた。
高等学園のある駅から学校までの通学路では、知り合い同士で会うと、ほぼ全員。
『ねぇ、見た見た? 昨日のバイク、何で集まったかな?』って話になってる。
別に、旗を立てて集まった訳じゃないから、一般生徒は『沈黙の狼』なんて名前は知らなくても。
その雰囲気から、族っぽい事は、みんな承知みたいだし……!
あ~あ。
先生達の間では、問題になったとしても。
基本静かな集団だから、生徒には、気づいて無いことを祈っていたけど。
……やっぱり、無理かぁ。
早瀬倉先生だって、殴られちゃってたし、ねぇ。
何回目か、すっかり忘れた、ため息をついて。
あたしが、とぼとぼと学校に向かい、やる気なく教室の扉を開けると。
クラスの中心から、走って来たヤツに、背中をばしっと力いっぱい殴られた。
「やっほ~~♪
カッキ~~、おっぱよ~~」
見れば、クラスメートの伊井田 梢(いいだ こずえ)……さん、だ。
あたしとは、雰囲気がまるで、正反対。
ショートカットの髪と。
九頭身近くあるんじゃないか、っていうスレンダーでモデル体型の超、目立ちたがり屋。
オトモダチも沢山いる、クラスのムードメーカーだけど、あたしは、このコ苦手だ。
うぁ……!
今日は、朝から関わっちゃったよ。
……なんてココロの声がバレたら大変。
あたしは、ちょっとひきつった顔のまま、返事をした。
「……おはよー、ございます」