俺様先生と秘密の授業【完全版】
 
 別に。

 早瀬倉先生は、年の離れた兄貴の友達ってだけで。

 何の関係もないはずだった。

 もちろん、早瀬倉先生は、あたしの彼氏なんかじゃない。

 普段はどんなガキっぽかったとしても。

 そもそも、オトナだから。

 学校の外に、知らない恋人だって、いるかもしれなかった。

 だから、別に。

 早瀬倉先生が、伊井田さんのコトを選ぼうと、ぜんっぜん関係なかったし。

 伊井田さんが、何を言っても、あたし。

 ココロが傷つく、なんてコト、あるはずなかったのに……!



 なんで。



 なん……で。



 涙が、止まらないんだろう……!
 

 伊井田さんの言葉がすごく、耳につく。

 根暗だし。

 早瀬倉先生に、似合わないわ……って。

 そんなの、改めて言われなくたって知ってる。

 だって、早瀬倉先生は。

 友達のいないのを心配した、兄貴に頼まれて。

 あたしに付き合ってくれているんだもん。




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