彼は、先生で大学生で私の好きな人。
先生と初めて出会ったのは中学の時、
高校受験のために入った塾でだった。
高校入ってから行く事はなかったけど
最近成績が下がってきたから
また通う事になった。
「それじゃ、数学選択と言う事で
来週からよろしくお願いしますね」
と、主任の清原先生(というらしい)は
あたしと母を交互にみて
愛想よく笑っていった。
母が挨拶したので
あたしも慌てて挨拶したら
『よっよろしくお願いしまっすっ』
…声が裏返ったっ
「ぷっ」
1人赤面していると
部屋のドア越しに誰かに笑われた。
母と清原先生が笑っている中、
あたしはドアのガラス窓の方を睨んだ。
…最悪。覗いてた上に人が
失敗したの見て笑ってるし!
そう思って目を凝らしてみると
見覚えのあるヘアスタイルに体格を見て
あたしはその人が誰なのか、
すぐに分かった。