びぃだま
――ガラガラ
その音であたしは起きた。
いつのまにか寝てしまっていた。
「花ちゃん?どう?」
しめわすれたカーテンの隙間から石原先生がのぞきながら言った。
「37.3でした。」
上半身をおこしながら言った。
「ちょっと熱あるみたいだね。どうする?早退する?」
あたしは少し考えてから首を縦に振った。
「お母さんに来てもらう?」
「今日は仕事あるからこれないかも」
「そっか。一人で帰れる?」
「近いから大丈夫です。」
「そう。もうちょっとで休み時間だけど荷物とりにいける?」
「うん」
「担任の先生誰だっけ?中島先生だっけ?」
「そうでーす」
「電話しとくから寝てていいよ。あと十分くらいで休み時間だけど」
「うん」
わたしはまた上半身をたおして目をとじた。