丘の上より




健史は駆け寄ってアクマに抱きついた。




アクマは始めは驚きを隠せない目で見ていたが、次第に状況がわかってくると落ち着きを取りもどしていった。




「―――なんでっ!…なんでこんなにも好きなのに、叶わねーんだよっ!」




思いに比例してアクマを強く抱きしめる。





「…たけし。」




「なぁ!教えてくれよ!…アクマ。」




健史の言葉がだんだんに弱くなってきているのに気付いた。





「…私も健史が好きですよ。」





何故か、アクマは冷静にいることができた。





多分、それはきっと―――






< 118 / 170 >

この作品をシェア

pagetop