丘の上より
健史は駆け寄ってアクマに抱きついた。
アクマは始めは驚きを隠せない目で見ていたが、次第に状況がわかってくると落ち着きを取りもどしていった。
「―――なんでっ!…なんでこんなにも好きなのに、叶わねーんだよっ!」
思いに比例してアクマを強く抱きしめる。
「…たけし。」
「なぁ!教えてくれよ!…アクマ。」
健史の言葉がだんだんに弱くなってきているのに気付いた。
「…私も健史が好きですよ。」
何故か、アクマは冷静にいることができた。
多分、それはきっと―――