丘の上より





「ごめんね、ごめんね」

と大粒の涙を流してこの丘に植えてくれたよね。





君の涙が僕の命を救ったんだよ。




―――でも、



君を救えなくてごめんね。





君を亡くしたとき、僕も泣いたよ。




まだ僕も小さかったから、みんなには見えなかっただろうけど…









数年して、僕もようやく深い土まで根を張れるようになった頃、サキは突然ここに来たね。







―――僕は嬉しかったよ。








…君はまた、泣いてくれた。








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