丘の上より
バスに乗り、あの丘を目指す。
途中、バスの窓から丘が見えるので健史はよく今日のアクマの様子を伺う。
―――ガタンッッッ!
健史は席から急に飛び上がった。
―――アクマがいないっ?!
健史の額から冷汗が滲み出る。
―――アクマッッッ
健史は待ちきれず、いつも降りる一つ前のバス停で降りて、一番早く丘に着く道を駆け上がった。
「――アクマっ!」
頂上まで上ると大きな木の下でアクマが横たわっているのが見えた。
健史は駆け寄り、アクマの肩を揺すろうとした。
「…あ。」
しかし、健史の手はアクマを通り抜けて地面に触れる。