丘の上より
健史は考えた様に見えた後、立ち上がった。
「―――わかった。アクマ、俺、付き合ってみるよ。」
「お幸せに…。」
アクマは少し辛そうな涙を浮かべて笑っているのを健史は見た。
アクマは健史に背を向けた。
その背中は小さく、今にも抱き締めてやらないと崩れてしまいそうだった。
「―――アク…」
健史はアクマに手を伸ばそうとしたが、諦めた。
「…俺、帰るよ。」
そう言って丘を降りようとした。
しかし、アクマからの返事はなかった。