そらからのてがみ
灰色の厚く重い雲が
その身を軽くするかのように
大粒の雪を
地上へと降り積もらせる
久し振りの積雪

寄り添うような足跡を残しながら
僕たちは歩く

傘に降り積もり
重くなった雪をどかしながら
試験の話をする


「自信、ある?」


そう聞かれても
曖昧な答えしか返せない


「どうだろう?
一応、頑張るつもりだけど」


僕の言葉に
そうだよね
と君も笑う


「一緒にがんばろうね」


思いがけず微笑む君に
僕は
自分の頬が熱くなるのを実感する

それを隠したくて俯いてみるけれども
俯いたその先には僕を見上げる君の顔があった

君と目があった

君の大きな瞳に映る僕の顔は
やっぱり赤くて

それにつられたのか
寒さのせいなのか

君の両頬も
ほんのりと赤かった
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