そらからのてがみ
帰り道

お互い
ここの問題はこうだったとか
あそこはああだった
なんて

話しながら

いつもと同じ道を
歩いて帰る

ふと空を見上げると

木々がいつの間にか
新しい季節の準備を
着々と進めていた

新しい命が芽吹く時も
君と一緒に
この道を
変わらずに
歩いていけますように

胸の中で
一人祈りながら

いつもの道になっている君の家に向かおうと
角を曲がろうとしたときだった


「今日はここでいいよ」


ポツリと
君が呟く

何故かと問いかけてみるが
曖昧な笑みを浮かべて
君は
ごめんねと
小さく言って
僕の手を離して
一人で
いつもの道を
歩いていってしまった

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