◆兄貴の彼女◆
【2章】墓の前の彼女
<南第二高校>
「おい夕斗ー!」
「あ?」
あー、めんどくせぇ。
ったく。
俺は、溜息をつき立ち止る。
「な、今日こそは!頼むよ!」
俺の前に来て、俺に拝むかのように両手を顔の前で合わせるクラスの友達。
「パス」
クラスの奴に片手を挙げて「じゃーな」って教室を出る。
「待てって!なんだよお前……あー!」
「なんだよ」
「女だな?…女ができたんだな!」
何でそうなるんだよ。
「……じゃーな」
アホらしい……興味ないだけだってーの。
毎日のように誘われる合コン。
正直言って、興味なし。
別に彼女がいるわけでもないけど。