◆兄貴の彼女◆
【3章】赤い石
昨日はあのまま帰ってきて、ずっと考えていた。
あの女子高生は誰なんだ?って。
眠れずに朝を迎えていた。
「おはよ」
「おお、夕斗おはよう。めずらしいなお前が早起きなんて」
「まぁな」
新聞片手に父さんが俺に言った。
父さんは、近くの小学校の教頭をしている。
そして母さんは、大学の教授で、今の時期忙しいらしく、なかなか家に帰ってこれない。
それで俺の家族は、曾祖父の時代から教師一家。
だから、死んだ兄貴も高校の教師をやっていた。