◆兄貴の彼女◆
<2週間前>
「藤沢、ちょっと校長室まで来なさい」
彼女、藤沢千鶴は、副担任に呼ばれた。
<校長室>
「君が、藤沢千鶴さんかね?」
「はい」
「一部の生徒達の噂だが、君は担任だった神崎先生と、付き合っていたというのは本当かね?」
「……」
「藤沢、正直に答えるんだ」
「…はい」
「付き合っていたと言うことでいいんだね?」
彼女は、小さく首を縦におろした。
彼女に与えられた事は、『退学』の二文字だった。
そして、退学処分を告げられてから2週間、彼女にむけられた生徒達の目線は、あまりにも酷いものだった。
先生と付き合っていたってだけで、男子生徒からはいやらしい目線で見られ、神崎先生が人気だったため、神崎先生を慕っていた女子生徒からは、軽蔑の目で見られていた。