◆兄貴の彼女◆
【4章】悲しみの転校生
俺は家に着いて制服を着替え直した後、兄貴の部屋へ向かった。
兄貴の部屋は、兄貴が大学出てからもそのままにしてあった。
兄貴のベッドに座り、兄貴の部屋を眺め、独り言を呟く。
「兄貴、もし生きてたら、俺の質問に答えてくれるのか?」
別にブラコンじゃないけど、俺は兄貴の事は本当に尊敬してたし、自慢の兄貴だった。
だけど、俺の知らない兄貴が居て、それに対して悲しさも覚えた。
自殺するような兄貴。
弱い兄貴もいたんだな。
そしてあの女は一体誰なんだ?
なぁ、兄貴……。
兄貴の墓で目撃して、あの川で出合い。
口にした神崎先生という名前。
兄貴、俺らの出合いは偶然か……必然か……。