◆兄貴の彼女◆
藤沢は、一体なんで俺のところに。
これは偶然?必然?
けど、兄貴の事…あんなにも真剣に話していた。
ウソなんかじゃない。
違う。絶対に藤沢はそんな奴じゃない。
じゃ、証拠は?
この事が頭でぐるぐる。
回り続けて3週間が経った。
あれから、答えが見つからない。
見つからないんだ。
「おはよう」
「おはよう、夕斗。相変わらず起きるのが、遅いぞ?」
「……ああ」
隼人はあれから何も言わない。
普通の態度だ。
親父はたぶん何もわかってない。まだ。
美佳は、あれから俺の様子を伺うように話しかけたりしている。
気を使っているのか何なのか。
けど、そんな事俺は今考えてられないんだ。
藤沢とは、あれから会話が出来なくなった。
たぶん、避けてるように思われてると思う。
毎回毎回、用事とか言って逃げてきたから。
ほんと、なにやってんだよ俺。
マジ自分勝手。
けど、怖いんだ。
接するのが。