17ぱれっと、
『旬斗とキスをした』
そんなことを言えば、みんなあたしを嫌うに違いない。
『みんな大事な友達』、それはこれからもずっと。
そう感じたあたしは残りの夏休みを拓真の家で過ごした。
拓真があたしのことを嫌えるとは思っていなく、ゲームに2人で夢中になっているときボソっと「あたし旬斗にキスされた」と告げると「ふーん」とだけ言われた。

「あおちゃんももう中2だしねー、僕もしたいなー、チュー」
口を尖らせ、ちゅーと言う。
「でも夏休み明けに旬斗に会うのが嫌なの」
いつもはそんなことにだって、突っ込んだり出来るのに。
今は会わなくたって口実が出来る。
でも夏休みが明けて学校に行けば旬斗に必ず会うことになる。
友達として、幼なじみとして仲良くしていたいのに・・・。
「じゃあ頼くんに言ってみればー」
泣きそうになっているあたしを横目で見ながら拓真は言った。

そうか、その手があったか。

「ありがとう拓真!また来るね!拓ママも美味しいお菓子ありがとう!」
「ええ、また来てね~」
「拓真も早くちゅー出来る相手見つけなね!」
「拓真!チューってなあに!?」
「トップシークレットだよ、お母さん」

その頃の頼と言えば、会う度会う度違う女の子を連れていた。
学校の女の子は勿論、他校の女の子にも手を出していた。
今思えばけしからんがその頃は「困ったときは里匡頼」が当たり前になっていた。
今でもそうだけど。

「頼!」
部屋に上がると、頼の上に女の子が乗っかっていた。
「、蒼以!お前邪魔だ、二度と来んな」
上の女の子を引き離しそこら辺にあったシャツを着る。





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