カラダから始まる恋ってありますか?
【裕介side】
「よし、帰るぞう」
散々マイクを1人占めして満足したのか上機嫌でカラオケを後にする市川さん。
その市川さんの隣には「楽しかったですねぇ」と、スッカリ意気投合した様子の由実ちゃん。
「よかったね、友達が元気になって」
俺の隣で歩く彼女の横顔をドキドキしながら見つめて言った。
カラオケで市川さん達の歌を聴いている間、彼女に触れたくて…抱きしめたくて…
正直、何を話していたかなんて、思い出せないぐらいに彼女を意識して
彼女の綺麗な髪から香る甘い香りと
彼女の細くて華奢な腕や、こないだとは違う、薄くて淡いピンクのマニキュアが光る指先ばかりを見つめていた。