カラダから始まる恋ってありますか?
そう思いながら車を止めていた駐車場に向かっていたら
「あっ、俺タクシーで帰るから」
市川さんが突然立ち止まり、車が行き交う道路に向かって手を上げた。
「えっ?いいですよ。俺、車なんですから。送りますよ」
「いいよ。俺は。由実ちゃんも、どう?俺と一緒にタクシーで帰らないか?送っていくよ」
ニカッと笑ってそう言うと、由実ちゃんまで「いいんですか?じゃあ、お願いします」楽しそうな笑顔で市川さんの隣に立った。
「えっ?由実?」
俺も彼女も、2人の仲良さそうな雰囲気と行動に唖然としながら見ていたら。
一台のタクシーが目の前に停まり
「はい、乗って乗って」と市川さんは、由実ちゃんをタクシーの中に乗せると
「じゃあ、また来週な」と、唖然としている俺達を残したまま
颯爽と2人を乗せたタクシーは夜の街へと消えて行った。