カラダから始まる恋ってありますか?
【裕介side】
チャポン…チャポン…と、蛇口から零れる水の音が響く静かな浴室の中
彼女のカラダは、熱い行為の後の余韻を感じさせる息づかいと共に
スッポリと、俺の腕の中に収まっている。
「幸せ」
この言葉がピッタリな時間の中、ゆっくりと時が流れていく。
「あたし…初めてなんだ…」
「なにが…?」
「こんなに…満たされた気持ちになるの…初めて…」
「そう?」
「うん。裕介さんは?」
「俺も…初めて…。こんなに、誰かを愛おしいと思ったこと…今までなかったよ…」
本当だよ。もう、君がいない世界なんて…考えられないぐらい
君に…恋い焦がれているよ…。