カラダから始まる恋ってありますか?
【愛美side】
「ご、ごめんなさい」
「アハハハ。いいって、気にしないで」
お風呂から上がったあと「朝食は、あたしが作ります」と気合いを入れて言ったのに
「最悪だよ…」
程なくしてできたオムレツは、いつの間にか焦げ目がついたスクランブルエッグへと変わってしまった…。
「こんなはずじゃなかったのに…」
とは言ってみたけど、オムレツを作るのは、恥ずかしい事に生まれて初めてで…。
こうなっても、仕方ないといえばそうだけど…。
「練習しとけば良かった」
お皿に盛った、無残なオムレツの変わり果てた姿にため息吐きながら
「はい。どうぞ」なんて、裕介さんに出せるハズもなく
キッチンで立ち尽くしてあたしの手から
ヒョイとお皿を取り上げてテーブルに運んだのだった。