カラダから始まる恋ってありますか?
「俺さぁ、子供の頃から海が好きでね。よく泳いでたんだ」
「そうなんですね。あたしは、そんなに泳ぎが得意じゃなくて、もっぱら波打ち際で遊んでましたぁ」
「そうなんだぁ~俺、子供の頃は海の近くに住んでたから、小さい頃、親父によく連れて行かれてさ
自然に泳げるようになったよ」
窓から流れ込む爽やかな風が、裕介さんの下ろした前髪を上に靡かせながら進む車の中で
裕介さんは、それからもいろんな事を話してくれた。
子供の頃、木登りが好きでよく登ってた事や
イタズラをして、お父さんに怒られた事。
「拳骨で殴られたよ。手加減しないんだよ。うちの親父はぁ」
苦笑いして話す横顔に、思わず「アハハハァ」と笑ったあたし。
視線を感じて裕介さんを見たら「よく笑う子って、俺、大好き」
そう言われて、あたしは、また頬を赤く染めた。