カラダから始まる恋ってありますか?

「シィ!!声が大きすぎるよ」


「ごめん。だって…」


だって…あたしに「そんな事、あたしには考えられない」って言ってた由実が…



「しちゃってたの?あの時に?」



「う…うん」



耳まで真っ赤な顔で頷く由実。


あの時…市川さんとタクシーで帰った、あの日に


「なんていうか…そんな雰囲気になっちゃって…気づいたら…。アハ」


アハって…。


由実が…市川さんと…会ったその日に…。


「あたしと同じじゃん」


「そうだね。同じになっちゃったね」


髪をワシャワシャと掻きながら話す由実。



人は、いつ、どんな感情が芽生え、どうなるか分からないって事を再び実感した。



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