カラダから始まる恋ってありますか?
居酒屋で飲み始めて30分が過ぎた頃。
居酒屋のドアが開いて聞き慣れた声が聞こえてきた。
「市川さん、席どこですか?」
「一番奥の座敷ぃ~」
裕介さんと市川さんだ。
ビールを一杯飲んで、少し赤くなっていた頬が、一気に熱くなってきた。
「あれ?愛美?」
どうしてここに?と驚いた表情の裕介さん。
「うん…ちょっと飲みたくなって」
助けを求めるように由実を見たら、由実は既に市川さんと2人の世界に入っていた。
「愛美?もしかして…会いにきたの?」
あたしの瞳を覗き込むように見つめてくる裕介さん。
「えっ!?あっ…うぅん。違うよ。近くに来たから、ちょっと飲んで行こうって話になっただけだよ」
クスッと笑った裕介さん。
「嘘。由実ちゃんが市川さんに聞いて来たんだろう?」
えっ!?どうして分かるの!?焦っていたら
「市川さんが、もしかしたら愛美達がいるかもしれないって教えてくれたんだよ」
なんだぁ~そうなんだ。焦って誤魔化そうなんてしなくて良かったんだ。