カラダから始まる恋ってありますか?
けど…「迷惑…だよね?ごめんね。ただ顔見に来ただけだから」
もうすぐしたら帰るからと話すあたしの手をギュッと掴んだ裕介さん。
あたしの腕をクイッと引き寄せると
「そんな顔してると、帰せなくなるよ」
そう耳元で囁くと、あたしの手のひらに自分の手を重ねた。
同時に手のひらに伝わってくる冷たい感触。
「俺の部屋の合い鍵。きょう渡そうと思って持っていたんだ。渡せて良かったよ」
ニカッと微笑んだ。
「えっ?いいの?」
「当たり前だろ。先に帰って待ってて。なるべく早めに帰るようにするからさ」
あたしの頭をポンと軽く撫でた。
嬉しい。合い鍵だぁ。裕介さんの合い鍵だよ。
心の中でピョン!とジャンプした。