カラダから始まる恋ってありますか?

ジュンの元カノか…、一体、どんな女の子だったかは気になるけど


俺には、関係のない事だな。



店内をキョロキョロ見渡してみたら、愛美達の姿はどこにもなかった。



「由香里と愛美ちゃん、帰ったみたいだな」


「そうみたいですね」


愛美、寂しい思いしてなきゃいいが…早く歓迎会終わらないかな。


早く帰って、愛美のぬくもりを感じたいよ。


そんな事を考えていると


「藤木さんの彼女の名前って“愛美”っていうんですか?」

ジュンから聞かれて「そうだけど…」と不思議に思いながら答えた。


少し驚いたような瞳のジュン。


「それが、なにか?」


愛美の名前が、何か関係あるのか?


「いえ、別に。可愛い名前だなと思っただけです」


気にしないでください。早く行きましょうと、言いながら座敷に向かうジュンの横顔が腑に落ちなく思えて


歓迎会の間、俺は楽しそうに課長達と酒を飲み交わすジュンが何故か無性に気になって酒の味を楽しむ気分になれないまま


11時を過ぎた頃、ようやく歓迎会がお開きになった。





< 186 / 382 >

この作品をシェア

pagetop