カラダから始まる恋ってありますか?
課長から椅子の話を聞いたと、少し興奮気味に話す市川さん。

「にしても、お前良かったな。スゲェーチャンスだぞ。頑張れよう」


そう言って、俺の肩をポンと叩いた。


普通なら、市川さんに来てもおかしくないこの仕事。


「俺が他に幾つもの仕事抱えてなかったら、俺がやりたかったよ」と苦笑いしながら言った。


そうだよな。市川さんなら納得の仕事だよな。


余計に気合いが入るよ。


ーーーーー2時間後


「さてと…俺、もうそろそろ帰るな」


市川さんが、そう言って席を立って背伸びをした。



「仕事、終わったんですか?」


「まぁな。それに、きょう由実が風邪で熱出して仕事休んで寝込んでるんだよ。

ちょっと看病してやんないとな」


しょうがねぇよなぁと呟きながら、頬をポリポリ掻いて、まんざらでもない様子。


「えっ?そうだったんですか?由実ちゃんが風邪で熱を…じゃあ、きょうカフェは?」


「あっ、愛美ちゃんが代わりに入ってくれてるって。悪かったな、愛美ちゃんにまで迷惑かけて」

そう言って、頭を軽く下げた市川さんは、由実ちゃんが可愛くてたまらない様子。



この2人、上手くいってるみたいだな。良かったよ。ホント。




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