カラダから始まる恋ってありますか?
第4章 試される絆
ジェラシー
【裕介side】
夏の日差しから逃れるように下ろされたブラインドが垂れ下がる室内。
会社のデスクに肘を尽きながら椅子のデザインを考えている
俺の真上にある冷房の冷気が肌にあたり。余計に寒さが増してくる。
ゴホッゴホッ…と咳が出る度に胸が締め付ける痛みが心なしか、ドンドン酷くなっていく気がするよ。
「大丈夫か?藤木。病院行ったか?」
熱、あるんじゃないかと俺の額に触れるゴツゴツとした大きな手のひら…。
「…大丈夫ですよ、市川さん。咳が出るだけで熱はないですから」
それよりも、そのゴツゴツとした大きな手のひらをどかして下さい。
気持ちは有り難いけど、どうせなら柔らかな優しい手のひらがいい。