カラダから始まる恋ってありますか?
「なに?誰かと間違えた感じ?」
「へっ?」
「藤木さんだと思った?」
裕介さんの名前を言われてトクンと高鳴る胸の鼓動。
顔に出ていたのか…
「相変わらず、愛美は正直だな。顔に
“藤木さんじゃなくて残念”って書いてあるよ」
と、額をピンと指で弾かれた。
「イタッ」と、思わず手で抑えたら
「その仕草も変わってない」
懐かしい…あの頃と同じ笑顔で微笑んだ。
「ジュンこそ、なにしてたの?1人?」
「まぁね。近くのレストランで食事してたら、窓から寂しそうに歩いてる愛美の姿見つけて追いかけてきた」
爽やかな笑顔で、女の子が言われたら喜ぶような言葉を簡単に口にするジュン。
「変わってないね。そういうとこ。きっと、ただ単に通りすがりに見かけただけなんでしょう」
図星でしょう?とイタズラっぽく言うと
「バレた?」と、はにかんだ笑顔で笑った。