カラダから始まる恋ってありますか?
今の俺にとって、一分一秒も無駄にできない。
早く帰ってデザインをまた考えないと、今のままではジュンには勝てない。
その思いが俺の心を支配していた。
「とにかく帰るから」
そう言って帰ろうと、もう一度席を立とうとしたら
「まぁ、いいじゃないか」と、今度は誤解が解けて上機嫌になって飲んでる隆に腕を掴まれまた座らされた。
「だから、俺は今忙しいって」
「お前さぁ~そんな事より、あの子とはどうなってるんだぁ~」
「えっ?」
「あの子だようぉー、愛美ちゃんの事だようぉ~」
うっ。そういえば、2人にはまだ愛美と付き合ってる事、言ってなかったな。
愛美も彩華には話してないみたいだし。
別に隠してたわけじゃないけど。
隆達の事だ。2人共、知りたがりの性格だから。
面白がって俺達の事を根掘り葉掘り聞いてくるだろう。
俺にとって、愛美との時間は大切な時間なんだ。
愛美と出会わせてくれた事には感謝するけど
だからって、2人の酒のツマミ代わりにされてたまるか。