カラダから始まる恋ってありますか?

「俺さぁ…」


不意に、ジュンが真剣な瞳であたしを見つめた。



「なに…?」



そう聞いてみたけど、なんだかその先の言葉が聞きたくなくて



真っ直ぐな視線で見つめるジュンの視線から逃れるように


「雨…やまないね」と首を前に傾けて、雨雲に覆われた星が見えない夜空を見上げた。




「そうだな。やまないな」



ジュンはそうポツリと言うと、フッと俯いて何かをボソッと呟くと




「送るよ」と、あたしの腕を掴んで走り出した。





< 274 / 382 >

この作品をシェア

pagetop