カラダから始まる恋ってありますか?
ヒィック…ヒィックと込み上げる悲しみと情けなさを感じながら
自分の部屋の前で、バックの中をゴソゴソと部屋の鍵を探していた時だった。
「愛美…」
後ろから、あたしの名前を呼ぶ愛しい人の声。
ずっと聞きたかった…会いたかった…
その声で、もっと、あたしの名前を呼んでほしい。
そう願っていたのに…
どうして…?
どうして…今、あなたはここにいるの…?
この現実が…どうか何かの間違いだと言ってほしかった…。
「ゆうすけ…さん…」
あたしと同じぐらいびしょ濡れで
あたし以上に深い悲しみの色に染まった裕介さんの瞳を見た瞬間。
あたしは全てを悟った…。
見られたんだ…。
ジュンの車に、あたしが乗っていたところを
そして…キスされたことも…。