カラダから始まる恋ってありますか?
「ちょっ、ちょっと待ってて…いま、鍵をあけるから…」
とにかく、思い付く言葉を並べながらバックの中からようやく見つかった鍵を握りしめて
ブルブルと寒さからなのか、それとも動揺からなのか…
分からない程の激しい体の震えを感じながら
鍵穴に何度も鍵先をぶつけて、ようやく鍵を開けてドアノブを回した。
ドアをゆっくりと開けて裕介さんに中に入るよう促すと、
俯いたまま、濡れた髪からポタリポタリを水滴を落として
ふらつく足取りでドアを開けていたあたしを目の前を通り過ぎて、部屋の中に入った。