カラダから始まる恋ってありますか?
【愛美side】
裕介さんの細くて長い指があたしの頬に、まるでガラス細工を触るように優しく触れると
そのまま撫でるように首筋から胸元に下りていく。
「愛美…」
ようやく発せられた裕介さんの声は微かに震え
真っ直ぐとあたしの瞳を見据える瞳は、ゾクリとくる程真剣な瞳。
「な、に…?」
怖い…。そう思った。目の前にいる。あたしが知らない裕介さんが怖かった。
だけど…
だけど…あたしは…
「愛美は…俺の事…好き?」
「…好きだよ…」
「本当に…?」
「本当に、大好き…誰よりも、あなたが好き…」
お願いだから、あたしを信じて。
あたしは、そっと裕介さんの首に腕を回して顔を近づけて、ゆっくりと唇を重ねた。
言葉で上手く伝える術をあたしは知らないから。
こうする事でしか、あたしの想いをあなたに伝える事しかできないから…。