カラダから始まる恋ってありますか?

唇を重ねた瞬間、裕介さんのカラダがピクリと強張った。

瞳を真っ直ぐ見つめると、驚いたように大きく見開かれている。



無理もない。あたしは今まで自分からキスした事なんて初めてだったから。



だけど、裕介さんがそうさせるんだよ。


裕介さんが、そんなに悲しい瞳であたしを見るから


あたしは、あなたが好きなのに。


あなたしか好きじゃないのに。



「裕介さんが好き…愛してる」

気づいたら、そう呟いていた。

そうか…あたし、裕介さんを愛してるんだ。初めてだよ。こんな感情。


こんなにも…あなたが愛おしいよ。

お願い…あたしの想いを受け止めてよ。
そんな瞳であたしを見ないで。

あたしはあなたを愛してるの。

だから、あたしの心を知って…ちゃんと受け止めて。




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