カラダから始まる恋ってありますか?
「ねぇ、裕介さん」
あたしに言葉を遮られて不安な面持ちであたしを見つめる裕介さんに言った言葉は
「連れていってほしいところがあるんだ」
そう言って連れて来てもらった場所は…。
「気持ちいいね」
「そうだなぁ」
以前、裕介さんに連れてきてもらった海が見える展望台。
「あたしね、もう一度、裕介さんと一緒にここに来たかったんだ」
「愛美…」
あたしに、裕介さんの未来を奪う権利はない。
だからと言って、仕事を投げ出して裕介さんに付いていく事もできないから。
「あたし、待ってるから。裕介さんのこと、待ってるから…だから…」
切ない瞳で、あたしを見つめる裕介さん。
そんな顔しないで…そんな…悲しそうな顔しないで…
じゃないと…あたし…。
今にもこぼれ落ちそうな涙を顔をグチャグチャにしてこらえていたあたしを
裕介さんが、フワリと包み込んだ。