カラダから始まる恋ってありますか?

「そう。君を初めて見たときから。俺…君の事、いいなぁって思って…」


そう話す彼の顔は、もう茹で蛸みたいに真っ赤に染まっていて。


黙って聞いているあたしの顔も、おそらく彼と同じぐらい真っ赤だ。



「俺…初めてなんだよね。こんな気持ちになるの」


「えっ…?」


「一目惚れっていうのかな?こんな経験なくて。正直…どうしていいか分かんないっていうかさ…」


一目惚れ!?彼が、あたしに!?それって、本当に!?



「誤解されたくないから言うけど。俺、好きじゃない女の子に、キスなんてしないから」


そう言った瞳は、真っ直ぐで。彼の気持ちが、嘘じゃないって。


不思議だけど、彼は真剣なんだって…。

思ったんだ。



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