カラダから始まる恋ってありますか?

待ち合わせの時間まで後1分になろうとした時


沢山行き交う人ごみの中から、駆け寄るスーツ姿の彼の顔がチラリと見えて


あたしの鼓動はドクン…ドクンと波を打つ。


彼だ…。



来てくれた…。



「ごめん…待ってた、よね?」


額に滲む汗を手の甲で拭いながら


ごめんねと、軽く頭を下げる彼。



「うぅん。あたしも、今、来たところだから…」



ウソだった。


本当は、落ち着かなくて30分前にはここにいて


彼が来るのを待っていたんだ…。




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