白い手-黒い眼
手繋鬼
~仲間集め~







その日の私はどうかしていたのかもしれない。

「朝から物騒なニュースやってるなぁ。」

どこかの街で通り魔事件が起こっているようだ。

『…事件の現場からお伝えしました。続いて…』

「お疲れ様です。」

無関心に無感動、それは現代高校生を指しているのではないだろうか。

わたし、黒津 奈木はごく平凡なごくごく普通な高校生だ。

テレビの画面左上の時計を見ると、いつも見ない時間になっていた。

「急がなきゃ…」

学校はあっという間に終わる。
それもまた、現代高校生の感受性だろう。

いつも通りにさっさと帰り、CDショップに行きたい。
帰って趣味に興じたい。

その日も放課後は部活に出ない。
むしろ、そろそろ退部を希望したいのだが、担任が届け出を受け付けない。
辞めさせたくないのだろうか、もしくは職務怠慢か?

やはり、その日もさっさと帰り支度をし、靴を履き替え、外に出る。

本当はそのまま帰るつもりだった。

本当はそのまま帰るはずだった。

校門の辺りで急に手を引っ張られ、思わずつんのめる。

『なっ…なにっ!?』

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