白い手-黒い眼
~仲間集め2~

手を引っ張られ、来た道を逆戻りを始めた。

『ちょっ…引っ張っているくせに走るのも、かなり速い。』

「はぁっ…はぁっ…」

走る中、気が付いた。

『温かい…』

握られたその手は、温もりを帯、奈木の手を包んでいた。

少し走り、学校の裏側の自転車小屋まで来た。

「あっ、あの…」
「ん?何かな?」

手を握っていたのは、自分より小さな女の子だった。

「わたしに…何か…はぁ…用ですか?」

息があがってしまい、言葉が上手く出ない。

「先輩、奈木ちゃんでしょ?」
「はい。」

年下の女の子にちゃん付けで呼ばれ、喜ぶ人はそういないだろう。

「わたしは津渚 暁。暁って呼んでくれても良いよ。」
「はぁ…」

よくよく見ると、暁は小柄なのに息すらあがっていない。

「ちょ~っと付き合ってほしいんだ。来てくれるよね?」
「いや…あの…」

なにがなんだか。

「あの…わたし…」

暁の眼が入り組んだ自転車小屋の向こうを睨んだ。

「……来た。」

そう言うや否や、一人の男子が走って来た。

「逃げるよ…!!」
「は…はいっ!」

二人は手を繋いだまま、再び走り出した。
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